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あらすじ
のぶが嵩のことを気に掛けながら、町を歩いていると人だかりができているのを見つけた。
草吉が焼いたパンの周りに御免与町の人々が集まっていた。
草吉は嵩にパンを与え、嵩はおいしそうにパンを食べた。
その様子を見たのぶは目を輝かせた。
草吉は子供たちにパンをふるまった。
そして草吉は「大人たちには1つ10銭でパンを売る」と言った。
大人たちは草吉に「1つ10銭は高すぎる。まけろ」と訴えたが、
草吉は頑として聞き入れなかった。
結局人だかりの中にいた寛の妻・千代子がパンをみな買った。
その日の夜、のぶは自宅で家族揃って夕食をとった。
のぶの家は石材屋を営んでおり、のぶ一家は和式の家屋に住んでいた。
のぶは家族にパンのおいしさを夢見心地に語った。
そのころ嵩も自宅で家族揃って夕食をとっていた。
嵩は母と共に小さな医院を営む寛の家に身を寄せていた。
寛の家は様式の家屋だった。嵩と母の登美子は様式の生活に馴染めずにいた。
次の日の朝、嵩は学校に登校した。
嵩は勉強がよくでき、クラスメイトの前で難しい問題をスラスラと解いた。
学校の昼休み、のぶは嵩の弁当を奪おうとするクラスの悪ガキたちを追い払い、
嵩への前言を撤回した。嵩はのぶに優しく微笑んだ。
学校を終えた嵩は河原で絵を描いていた。嵩を見つけた草吉が嵩に声を掛けた。
嵩も草吉も御免予町に居づらさを感じていた。嵩と草吉は意気投合した。
嵩と草吉が河原で話していると、それを見つけたのぶが走ってやって来た。
のぶは草吉に「何であんなおいしいパンが焼けるが」と尋ねた。
草吉は「そいつは言えねえな」と答えなかった。
嵩はのぶに「同じくらいおいしいパンを銀座で食べたことがある」と話した。
「銀座ってどこにある」と尋ねるのぶに、嵩は「あの山超えて海超えて、ずっとずっと遠く」と答えた。
のぶは銀座に想いを馳せた。
その日の夜、のぶの父・結太郎は自宅の縁側にのぶと一緒に座り、
のぶに「女子も大志を抱け」と教えた。
そのころ嵩は自宅で絵を描いていた。銀座で家族そろってパンを食べた時の絵だ。
嵩は病死した父が生きていた頃の楽しかった記憶を思い出していた。
感想
のぶと嵩と草吉が三人で河原で話すシーンの景色がとても綺麗だと思いました。
あの河原は高知県にあるのかな、どこの河原なのか知りたいと思いました。
考察
のぶにも嵩にも銀座は特別な場所のようです。2人にこれからどんな人生が待っているのか楽しみです。
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