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あらすじ
昭和12年(1937年)の春。東京高等芸術学校への進学が決まった嵩は、いよいよ東京へと旅立つ日を迎えました。出発に際し、草吉から手渡されたのは一通の手紙。汽車の中で封を開けると、それはのぶからのメッセージでした。
その頃、のぶは女子師範学校で最終学年となる二年生に進級し、後輩たちを指導する立場に立っていました。やがて教壇に立つことになる二年生に向け、黒井先生の指導は一段と厳しさを増し、のぶたちは強い愛国心を教え込まれていきました。
嵩が東京での学生生活をスタートさせた初日、彼はかつて受験会場で出会った健太郎と再会します。健太郎は補欠で合格していたのです。ふたりの担任となった座間先生は「銀座へ行って世の中を感じなさい」と学生に語りかけ、さっそく嵩と健太郎は銀座の街へ足を運び、その美しい町並みに心を奪われました。
やがて東京での生活にも慣れた嵩は、のぶに向けて手紙を出します。東京での暮らしを心から楽しんでいることを綴ったその内容に、のぶは思わず苛立ちを覚えました。というのも、のぶには女子師範学校の規律ある日常の中で自由などなかったからです。
感想
けんちゃんがいて良かったね!
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