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あらすじ
嵩と千尋は寛に将来の進路について話した。
千尋は寛に「将来は法学を学んで力を持っちゃあせん弱い人らを守りたい。
嵩のために医者になるのを辞めたわけではない。血を見るのが苦手なので医者になりたくない」と話した。
嵩は寛に「まだなりたいものが分からないんです。
ひとまず高知第一高等学校にうかることを目標にしようと思う。
あの人が喜ぶ顔を見たくて」と話した。嵩は母・登美子のことを思い浮かべた。
千尋は嵩を「兄貴はやればできる男や」と励ました。
寛は二人に「わしはお前らにあん時ああしとけばよかったと悔いてほしゅうないがじゃ。
何のために生まれて何をしながら生きるのか、見つかるまでもがけ。必死でもがけ」と話した。
その日から嵩は本気で受験勉強を始めました。
ある日、登美子と千代子は一緒に御免与町の町へ出かけた。
登美子と千代子は町を歩きながら「嵩は高知第一高等学校に入って京都帝国大学に進学するのがいい」と嵩の将来について話し合った。
登美子と千代子は以前まで仲が悪かったが、同じ目標ができたので仲たがいするのをやめた。
年が明け、受験当日の朝を迎えた。
のぶは家で出掛ける準備をしていた。
のぶの隣では羽多子が仏壇に手を合わせ、のぶの合格を願った。
のぶが出かける時、朝田家の人々は家の前でのぶを見送った。
くらは「試験ができんでも、ちゃんと家に戻ってくるがぞで」と、
釜次は「気合いだ。分からん問題でも気合でなんとかせい」と、
羽多子「がんばってきいよ」と、蘭子とメイコは「頑張って、お姉ちゃん」とのぶに声を掛けた。
草吉はのぶに「これ持ってけ」と、”合格”の刻印が入ったアンパンを手渡した。
草吉はのぶに嵩の分のアンパンも手渡した。
のぶが皆に見送られ今にも出発しようとしていると、登美子と千代子がとても慌てた様子で朝田家の家の前を通りかかった。
羽多子は「どうしました」と尋ねた。
登美子と千代子は「嵩が受験票を忘れて行った。
神棚に嵩の受験票を置いて祈っている間に、嵩が出かけてしまった」と話した。
それを聞いたのぶは登美子と千代子から嵩の受験票を預かり、嵩の後を追った。
のぶは嵩に受験票を届けるため、自分が受験する女子師範学校へ向かう前に、汽車に乗って嵩のいる高知第一高等学校へ向かった。
高知第一高等学校の試験会場の前で嵩が受験票を探していると、
のぶが「たかしー」と叫びながら、走って現れた。
のぶは嵩に受験票とアンパンを手渡すと、女子師範学校の試験会場へ向かうため急いで走り去った。
のぶは去り際に嵩に「そんな大事なもん忘れるなんて、嵩ボケー」と叫んだ。
のぶは女子師範学校の試験会場へと急ぎ、なんとか試験に間に合うように到着することができた。
感想・考察
嵩と千尋が喧嘩をやめてよかったと思いました。
登美子と千代子も仲たがいするのをやめてよかったと思いました。
のぶが受験する女子師範学校が初めて登場しました。
校門がとても重々しいのが印象に残りました。女子師範学校とはいったいどんな所なのか気になりました。
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