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あらすじ
ある日の夕方、嵩は子供のころからの遊び場のシーソーのある空き地で漫画を読んでいた。
そこへのぶが現れ、嵩に「なんで家で読まんの」と声を掛けた。
嵩は家で漫画を読むとおばさんに反対されるので、空地に出かけて漫画を読んでいた。
のぶは嵩に「それでも嵩はええな、おなごはつまらん」と言った。
のぶはおなごがパン食い競争に出場できないことが不満だった。
のぶは亡き父・結太郎が「海の向こうやったら男に負けずに活躍しよる女の人がこじゃんとおる。
おなごも遠慮せんと大志を抱きや」と言ったことが忘れられずにいた。
「おなごはつまらん」と言うのぶに、嵩はシーソー遊びをしかけた。
二人は子どもの頃と同じように、しばらくシーソー遊びをした。
そしてお祭りの日がやってきました。のぶはお祭りの会場でパン食い競争の出場申込の受付をした。
のぶが受付をしていると、小学校の頃の同級生たちや千尋が受付を訪れ出場申込をした。
しばらくすると小さな女の子が受付を訪れた。
のぶと一緒に受付をしていた尋常小学校の先生は「おなごは出場できんぞ」と女の子を止めた。
のぶは納得できず、尋常小学校の先生に
「女の子が参加してもええがじゃないですか。どうしてですか」と抗議した。
しかし尋常小学校の先生は「いかんもんはいかん」と聞き入れなかった。
のぶは「女の子がパン食い競争に出場できないなら、せめてアンパンだけでも食べさせてあげたい」と思い、
朝田家に女の子にあげるためのアンパンを取りに帰った。
のぶが朝田家にアンパンを取りに戻ると、
釜次とくらが豪に「パン食い競争で優勝してラジオを貰ってきてくれ」と言い付けていた
。釜次は豪に「ラジオがあればいろんな世界が分かるじゃろ。わしは遠い街、遠い国のことを知りたい。
感じてみとうなった」と話した。のぶは釜次と豪が話しているのを聞き、少し考え込んだ。
のぶは受付を訪れた女の子のために、アンパンを持ってお祭りの会場に戻った。
しかし入れ違いになり女の子にアンパンをあげることができなかった。
女の子はとてもパン食い競争に出場したそうな様子で、のぶはいたたまれなくなった。
パン食い競争が始まった。最初の組に豪が出場した。
釜次とくらに「優勝してラジオを貰ってきてくれ」と頼まれた豪だったが、豪は足が遅く負けてしまった。
嵩は最後の組に出場するため準備運動をしていた。
しかし嵩は足が遅く、出場したくなかった。
嵩はのぶを見つけると「僕は棄権する。これ使って」とたすきを渡して立ち去った。
のぶはおなごが出場できないことに納得いかなかった。
そして釜次のために優勝して賞品のラジオを貰いたかった。
のぶは嵩のたすきを肩にかけ、最後の組に飛び入り参加し、走った。
観衆は「なんでおなごが」と驚いた。
のぶはパン食い競争の最中、一緒に出場した男たちに揉まれても負けなかった。そしてのぶは一等でゴールした。
感想・考察
男たちに負けないハチキンのぶはさすがだと思いました。この後、おなごが一等になったことを聴衆は納得するのか、のぶはラジオを貰うことができるのか気になります。
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