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あらすじ
昭和2年秋、のぶが大好きだった父・結太郎があの世に旅立ちました。
嵩と寛は葬列に手を合わせた。のぶは泣きませんでした。一粒の涙も出なかったのです。
寛は落ち込むのぶの祖母・くらを心配して朝田家を訪れた。
くらは「結太郎は何のために生まれてきたがやろう」と結太郎の死を嘆いた。
寛はくらに「子供の頃から自分の夢を必死に追いかけた。それが結太郎の喜びや」と話した。
くらはおいしい団子も食べられないほど落ち込んでいた。
のぶは結太郎の訃報の連絡を受けた次の日も学校に登校した。
学校が終わるとのぶと嵩は一緒に下校した。帰り道、のぶと嵩は釣りをしている草吉に会った。
草吉はのぶに声を掛けたがのぶはうつむいたまま何も言わずに立ち去った。
嵩は草吉にのぶの父が亡くなったことを話した。
嵩は草吉に自分の父も既に亡くなっていることを話した。
草吉は嵩に「皆いずれは死んでしまう。たった一人で生まれてきて、たった一人で死んでいく。
人間なんておかしいな」と話した。
その日の夜、嵩は寛の家で考え込んでいた。
嵩は寛に「どうしたらのぶちゃんに元気になってもらえるかな。
僕にできることはないのかな」と尋ねた。寛は嵩に「そればかりは医者にも治せない。
でもそれが生きちゅうことや。いつか元気になってきっと笑いの日が来るがや」と話した。
次の日、のぶの祖父・釜次は泣きながら結太郎の墓石を掘った。
のぶは結太郎を御免与駅で見送った時のことを思い出した。
のぶはすっくと立ち上がり、駅へ走り出した。駅に着いたのぶは、
汽車から降りてくる人々の中から父・結太郎の姿を探した。
やはり結太郎の姿は無かった。のぶは呆然とした。
偶然、御免与駅の駅舎で絵を描いていた嵩はのぶの姿を見つけた。
そして呆然とするのぶに自分が描いた絵を見せた。
その絵はのぶと父・結太郎が駅で別れる時の姿を描いた絵だった。のぶはその絵を見て泣いた。
駅からの帰り道、のぶと嵩が二人で歩いていると草吉が現れた。
草吉は二人に「ついてきな」と言った。草吉は焼きたてのあんぱんがたくさんのったかごを持っていた。
嵩と草吉はのぶと一緒に朝田家に戻った。
草吉は朝田家の人々に焼きたてのあんぱんをふるまった。
悲しみに暮れていた朝田家の人々は草吉のあんぱんを食べて少し元気になった。
朝田家の人々はホカホカのあんぱんに生きる力を貰った。
感想考察
悲しみに暮れていた朝田家の人々があんぱんを食べ、
元気になったのでよかったと思いました。
くらさんも元気になってよかったと思いました。
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