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あらすじ
嵩、弟の千尋、のぶの三人がシーソーで遊んでいると、母の登美子が現れた。
登美子は「黙って千尋を連れ出したらだめじゃない。
大切なお坊ちゃまに怪我をさせたらどうするの」と嵩を叱った。
登美子は千尋を連れて帰った。
嵩はのぶに千尋のことを話した。
のぶは嵩に弟がいた事、さっきの少年が弟の千尋である事、
二人が小さい頃離れ離れになった事を初めて知った。
嵩は悲しそうに「小さい頃、母さんや僕と過ごした事を千尋は覚えていないんだ」とのぶに話した。
のぶはいたたまれない気持ちになった。
その後、嵩は寛の家で絵を描いた。東京で家族四人で過ごした時の絵だった。
寛は嵩が描く絵をのぞき込んだ。寛は「絵がうまいな。
こじゃんと絵を描け。
好きなものはこじゃんと好きになれ」と言い、嵩を褒めた。
「こじゃんと」は高知の方言で「たくさん」の意味だ。
登美子は嵩が描く絵を見て「母さんもこの絵好きよ。
でももう前を向かなきゃね」と話し、何かを決意したような様子だった。
その後、登美子は寛の家の縁側で嵩の散髪をした。
散髪をしながら登美子は「しばらく留守にする。用事が片付いたらすぐに迎えに来る」と嵩に話した。
次の日、のぶが学校へ行くと嵩が欠席していることに気が付いた。
嵩は学校に行かず、弟の千尋と共に家を出た母を追いかけていた。
あぜ道を走り、母の後ろ姿を追いかける二人。
嵩と千尋は登美子に追いつき「本当にすぐ迎えに来てくれる?約束だよ」と話した。
登美子は「いい子にしてるんですよ」と言い残し、その場を立ち去った。
嵩と千尋は登美子の後ろ姿に手を振った。
その頃、寛の家では登美子が置手紙を残して出て行ったので大騒ぎになっていた。置手紙には再婚すると書かれていた。
千代子は「夫が亡くなってから間もないのに再婚するなんて」と憤慨したが、寛は落ち着いた様子だった。
のぶは学校で欠席している嵩のことが気になっていた。学校の帰り道、
のぶは大人たちが「嵩の母が出て行った」と噂しているのを聞いた。
のぶは嵩にとって大変なことが起きたことを知り驚いた。
のぶは嵩が気になり、昨日一緒に遊んだシーソーがある場所に行った。
のぶは嵩が一人で寂しそうにシーソーに座っているのを見つけた。
のぶは「たっすいがはいかん。嵩はうちが守っちゃる」と嵩を励ました。
「たっすいが」は高知の方言で「へなちょこ」の意味だ。
のぶは嵩と二人、ぎっこんばったんとシーソーで遊んだ。のぶと嵩の心がぎっこんばったん、ぎっこんばったん。
感想考察
今回のテーマは「母との別れ」だったと思います。
再婚したということは、登美子はもう寛の家には戻ってこないのでしょうか。
嵩はもう母と会えないのでしょうか。
突然のことだったので驚きました。
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